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石垣にて娘ごしの落陽 1

国内旅行

東京もまだ寒いなんて思えない頃、1歳7か月になった娘を連れて石垣島に行った。もちろん夫も。

最近の娘は単語をどんどん発するようになってきていて、飛行機も少し前は「ぷーん!」と言っていたのだが、気づけば「ちこうき!」になっていた。
もともと飛行機が飛ぶところを見るのが好きな娘は空港から見る景色がとても楽しかったようで、出発前エリアの窓の近くからずっと見ていた。
搭乗してからも客席の窓からずっと他の飛行機を見て、整備士の方など地上のスタッフの姿が見えると毎回嬉しそうに手を振っていた。

羽田空港

娘が飛行機に乗るのは4回目で、これまでに北海道2回、沖縄本島1回、なので石垣島はこれまでの最長飛行になる。約3時間、騒がれたら地獄である。もちろん一番嫌な気持ちになるのは近くに座ってしまった他の乗客だろう。親もそれが起きないように徹底的に準備はするが、もちろんうまくいかないことはある(幸い今のところそこまでの地獄を見たことはないが)。
そんな心配とは裏腹に、飛行機が出発するとすぐに爆睡した娘。ナイス。両親の膝をベッドにして完全に体を伸ばして眠れるサイズ。娘の頭が下がらないように片膝をずっと絶妙な高さに上げて枕にしてあげていた私の足は死んだ。

石垣島空港に到着。最高気温は平均して30度くらい。東京もつい最近までその気温だったんだけど、と思っていたが、湿気が凄くてやはり別物。
到着した時間が娘の夕飯の時間だったから、空港内のフードコートでご飯を食べた。いくつかの店を一緒に物色していると、ステーキ屋に貼ってあるポスターを指差し「おかあしゃん!おかあしゃん!」と言う・・・指している方向を見ると、井川遥のハイボールのポスターだった(髪型の雰囲気でお母さんと言うことが多い)。

これには大変困ってしまうものがあって、自分の本音は「娘ちゃん、井川遥と間違うなんて、なんていい子なの」なんだけど、周りにもこの状況に気づいている人がいる手前、ちょっと恥ずかしいものもあり、それを隠して「はいはい、違うよ」とスルーするのがいいのか、いや、とはいえ娘の中で似ているものを判別できたことを誉めるべきか、様々な葛藤が一瞬で湧き出る中、とりあえず可愛かったので抱きしめた。

結局いろいろお店を見たが、娘がなんとなく食べられそうなジューシー(沖縄の炊き込みご飯)おにぎりと、かまぼこにジューシーが入っているものを買った。
娘は偏食とまではいかないが、あんまり食べない。子どもあるあるなのかもしれないが、昨日食べられてたものを今日食べなかったりは日常茶飯事で、見た目が嫌で拒否することもあれば、初見でも口に入れる(そして出す)ものもある。
とりあえず米とパンは間違いなく食べるから、買ってみたけど、ジューシーは大当たりだった。おにぎりひとつを全部食べてしまった。この年齢の推奨ご飯の量は大人の半分だから、いつもその量にしているが、いつもの倍食べたと言うことだ。ただ残念なことにフードコートに食べられそうなおかず的なものがない。
なんとなく昼に残した少しばかりのカボチャのマフィンも食べて、ジューシーににんじんとひじき入っているから野菜にカウントしていいよね。かまぼこ少し食べたからタンパク質にカウントしていいよね。そもそもおにぎり丸々一個食べちゃったから、これ以上何か食べるほどの余力なさそうなんだよね。旅行だから仕方がないよね。と、いいように解釈というか言い訳した。

空港からホテルまではタクシーに乗った。待っている間に娘は自分と同じくらいのサイズのトランクをどんどん押していってしまう(もちろん隣に夫がついていた)。ガラガラガラガラ、どこででも何でも新しくて、楽しい。人間の生き始めって本当にすごいんだなぁ。謎に感心してしまう、自分の娘だが、可能性の塊すぎておそろしい。どこかでその芽を私が摘んでしまったらどうしよう、と思う。

石垣島空港

タクシーに乗り込み、家も何もない、サトウキビ畑の間を走る。自分が子どもの頃の夏休みの終わりの気候。今は暑すぎてそんなのも忘れそうだけど。
なんとなく前回(12年前)来た時の感じを思い出した。当時はまだ結婚はしていなかったが、現夫と来たことがあった。もう1度来ることはあるとは思っていたが、こういう形で来るとは。娘はタクシーの窓から外の景色を興味深そうに見ている。陽が落ちてきて一日のうちで多分一番美しい時間。こうやって娘越しに見ている落陽。やっぱり未来はほとんど予測できなくて楽しい。

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