クルーズ4日目。朝のブッフェにも慣れてきて、いつもの席で海を見ながらご飯を食べる。いつものミシェルさんが娘を構ってくれて、娘もすっかり慣れた様子。
この日は娘にとっての初海外。韓国の釜山に到着。
予定表によると10時には外に出られるはずだったから、昨日出遅れてしまった反省を生かして9時から外に出る列に並んだ。このクルーズで海外に寄るのはこの日だけなので考えることは皆同じ。9時でもそこそこ列ができていたが、ひたすら待っていた。
しかし一向に門が開かない。上陸許可がまだ下りていないというアナウンスが流れる。まだかかりそうだと一度戻る人もいれば、そのまま並ぶ人たちもいる。昨日出航が遅れたせいなのでは、私はどうしてもそう思ってしまう。
娘が並んでいる途中に寝てしまったから我が家はそのまま並ぶことにした。エレベーターに乗れるか分からなかったからベビーカーは畳んでいた。並んでいる途中にiPhoneに届いたハングル文字でのショートメッセージ。訳さなくても「35度以上の気温に注意してください」という警告であることが予想できた。翻訳してみるとその通り。色々もうすでにハードモードな予感。
やっと外に出られて入国審査が始まる頃にも娘は寝ていたが、審査は難なく通過。
携帯は予め普段利用している携帯会社の海外24時間だけ使えるプランを追加しておいたからすぐに使えた。
やっぱりクルーズ船が停まる場所は実際についてみないとはっきりしたことはわからないもので、実際について携帯でマップを開いて初めて正確な距離感がわかった(同じ港の中でも停泊場によって歩く距離が全然違う)
ほとんどの人はツアーを予約しているか、シャトルバスでチャガルチ市場という有名な観光地に行くように思われた。私は昔釜山に来たことがあり、チャガルチ市場など有名観光地にはすでに行っていたから、海雲台というまだ行ったことのないエリアに行こうと思っていた。
海雲台は最近話題の人気のビーチみたいな感じで、新しい観光要素が次々建てられているような感じだった。とにかく娘には浜辺から海を見せてあげられたらいいなと思っていたから、行ったことない場所+ビーチということで行くことに。
まずは港から釜山駅へ行き地下鉄へ。釜山駅までが地味に遠く、しかも警報が出るくらいなのでかなり暑かった。駅までの道のりは日陰が多かったが、汗が垂れてくる。釜山駅に着くとなんとなく涼しく感じた。娘はここで目覚めて、なんか違うところにいるんですけど、みたいな感じで少し困惑した寝起きだった。
地下鉄で50分、正直この時間で昼寝してもらうつもりで予定を組んでいた。しかし下船を待っている間に寝てしまったので完全に誤算。しっかりと目覚めていて、完全に暇してしまっている。シール帳で気を紛らわしたり、ベビーカーから降ろして抱っこしてみたり、あれやこれやでぐずらせないように頑張ってようやく駅に着いた。すでに感じていた、地下鉄での韓国の人たちの子供への目線がすごく温かいことを。事前調べだとベビーウェルカムだということだったけど、本当に微笑みながら娘をみたり、何かを話しかけてきたり、遠くから楽しませようとしてくれていたり、ありがたかった。
海雲台の一つ先の駅で降りて、事前に目星をつけておいたランチの店に行こうとするが外に見えるくらい人が待っているのが見えた。もう2つくらい目星をつけておいた店もあったが、ランチが終わっていたり、場所がいまいちわからず見つけられなかったりした。
完全に焦っていた。なぜなら移動だけでもすでに汗だくで、大人が暑いということは娘も暑いというか暑すぎるくらいだろうから。適当な店、というのがいまいちわからない。ファーストフードでも良かったがそういうのも見当たらず、Googleマップを拡大してレストランマークのついた店で子供が食べられそうな店をひたすら探す。
事前準備をしっかりしたつもりだったが、想定外の暑さと人の多さ。自分の旅行経験値は高いはずなのに、という悔しさ。そしてこんなに暑いのにいまだに店を見つけられなくて申し訳ないなと思いながら、やっと入れそうな焼肉屋を見つけた。というかもう限界だからここにしよ!って感じで突撃。
この店が本当に神だった。広めの店内でベビーカーのまま入れる、子供用のハイチェアと食器がある。韓国牛のプルコギの店で、とりあえず全てが美味かった。肉がミンチ状態のものを焼くから子供も食べやすい、子供用の米を頼んだら即出してくれてしかもコーンライスで爆食い。一緒に出てくるパンチャン(キムチとか無料のおかず)もめちゃくちゃうまい。
全員部活終わりの男子中学生かよってくらいめちゃくちゃ食べて飲んだ。ビールを1人1瓶ずつ飲んだけど、アルコールが汗で一瞬で飛んでった感じすらした。
海雲台にいくなら絶対お勧めしたい。またいく機会があったら絶対行く。
娘はわからないけど、少なくとも夫と私はこの店に出会えただけで釜山に来たかいあったね、と上機嫌になるくらい美味しかった。
そもそも船に戻る時間も迫っているのもあり、店を出て早々に海を見に行ったが、この日は暑かったからビーチが人だらけすぎた。こんなに人いるものなんだなー、とここでも予想外すぎて、海に近づくのも人の多さと暑さで危ない気もしたから3人で遠目で海を見て退散。なんのために海雲台へ・・・!
帰りの電車で娘はなかなか落ち着けず、ぐずって床にゴロリとなってしまうときもあった。私が移動時間を長くしてしまったせいだし、イヤイヤ期に片足を突っ込んでいるせいでもある。
それでも周りの人たちは、遠くから自分のぬいぐるみを見せて娘にアイコンタクトしてくれたり、近くに来て話しかけてくれたり。電車の中でもおばあちゃん3人組の座っている座席に招待されてたくさん抱っこされて遊んでもらったり、10歳くらいの男の子がずっといないないばあをして娘と大笑いしていたり。「とにかくみんなありがとう」という気分に私はつつまれた。
これまでも長く旅をして来て思うのは、この世の中のほとんどはいい人なんだと(単純)。優しくしてもらったことを娘は覚えていないだろうけど、いつか誰かに返せるようになってくれると嬉しいな。
帰りに気づいた。ベビーカーにヒョイっと乗せていた自分の帽子と、ベビーカー用の日除けブランケットを落としたことを・・・!得るものあれば失うものあり!