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おふねにのってゆーらゆら 3

桜島 国内旅行

クルーズ3日目の朝、部屋のカーテンを開けるともう船が到着して桜島が見えた。快晴。夏らしい空。
娘は外が海ではないことはなんとなく理解して、外を見て嬉しそうに「かぁかぁ!(カラス)」と叫んだ。

いつも通り朝食ブッフェに行き、また外国人スタッフに遊んでもらう娘。朝食会場から見える景色は部屋と反対側で海だったので、また海になったのが不思議なのか何度も窓の外を見に行っていた。

朝食のひとこま

移動はタクシーで午前中に桜島を見て、午後には市内の中心である天文館で黒豚でも食べようという予定でいた。
船を降りてみると完全に大誤算。タクシーには長蛇の列、しかも進みは早くない。クルーズターミナルが思ったより市内中心から離れているのだ。もっとばんばんタクシーが来ることを予想していたが、コロナ禍でタクシーもだいぶ減ったのであろう。また、タクシーの列には残念ながら屋根がなくめちゃくちゃ暑そう。これは1歳児には耐えきれないと思って、かなり割高だがクルーズ船が提供しているシャトルバスに乗ることにした。

シャトルバスは満席になったら出発するという感じで使い勝手はあまりよくないが、思ったより早く出発してくれた。停車場は決まっていて、その場所から桜島のフェリー乗り場までは路面電車かタクシーを捕まえるかをしなくてはいけなくなり、この暑さと土地勘のなさで桜島は諦めた。
ということをInstagramに投稿したら、世界一周中に出会った鹿児島出身の方が、「事前にわかっていれば迎えに行って船出したのに!」と言ってくれて、実際にそうできると分かっていても頼みにくいとは思うものの、そういう縁を大事にしないとなぁと思ったのだった。

シャトルバスは桜島が遠くにドーンと見えるただの駐車場跡地のようなところに停車した。娘はバスに乗れたことにかなり満足で嬉しそうだった。それにしても暑い。天気が良くて本当に良かったけれども、暑すぎて鹿児島で最初にしたことはコンビニで冷たいお茶を買うことだった。

桜島には行かないことにしたので、市内の中心である天文館でたっぷりと時間を使うことに。
まずは名物かき氷のしろくまを食べに有名な「むじゃき」へ行ってテイクアウト。娘に砂糖の甘さが強いものをあまり上げたことがなかったが、さすがに暑すぎるので一緒に食べた。甘いのが美味しかったのだろう、何度ももう1口食べたいを繰り返す。そりゃ美味しいよな。

「むじゃき」の近くには大きめの公園があったから、そこで少し休憩。大きな屋根があるところがあり、助かった。どこかの保育園の子供たちが、先生と一緒にシャボン玉を追いかけて遊んでいた。何も促さなくても娘も自然とそっちに合流して一緒に遊んでいた。先生に聞いてみるとちょうど同じ学年の子たちだった。まだこの年齢なら話すことはできないけど、なんとなく共鳴して遊べているのがすごい。

公園

そして一番楽しみにしていた黒豚しゃぶしゃぶの店「あぢもり」の時間。このお店は黒豚しゃぶしゃぶ発祥の店を謳っていて、サザエさんのエンディング(全国各地を回るバージョン)や美味しんぼなどにも出てきたことがある名店らしい。
ここのしゃぶしゃぶは変わっていて、タレではなく卵にくぐらせて食べる。しゃぶしゃぶに入れる他の具材にはもち巾着があったりで面白い。

ほんとに楽しみにしていたのだがしかし、座敷の席に通されたあたりから娘がなんだかイラついている。「おなかがすいたのかな?」と、とりあえず持ってきたベビーフードを食べさせようとすると断固拒否。たぶん時間的にも眠かったのかもしれないが、とにかく何が嫌かわからないまま泣き叫んでしまった。とりあえず抱っこでごまかす。運ばれてくるしゃぶしゃぶ肉と具材、そして娘用に白米を追加注文。必死にしゃぶしゃぶの様子を見る夫。全然機嫌の直らない娘。同じ座敷には同じくらいの月齢の子が静かに座っている。比べてはいけない、比べても意味がない、あの子だって泣き叫んでいる日はあるはずだ。私は1枚も肉が食べられていない。

なかなか来ない白米。よそうだけなはずなのに、おかしい。今から炊いてるの?というレベルで来ない。さすがに来なさすぎるので店員さんに言ったらすぐ来た、忘れられていた。泣きわめいているので迷惑そうな顔をされた気がしてしまう。娘に食べさせる、泣き止んだ。ほら、白米じゃねーか。いや、誰も違うとか言ってないんだけど。
私はやっと肉を食べられた、やばい、うますぎる。一仕事終えた気分もありすごくおいしい。冗談じゃなく、あとから夫と思い出して話すことがあるくらい、ここのしゃぶしゃぶは今までで一番おいしかった。うむ、娘がしゃぶしゃぶが楽しめるようになったらまた来よう。

あぢもりのしゃぶしゃぶ肉

食べ終わると娘は即寝。やっぱり眠かったのもあったんだ。
暑いなかうろつくのも疲れるので、鹿児島の残り時間はベビーカーでも入れることが分かっているスタバでお茶をした。

船に戻って少し休んでから音がするのでデッキに出てみると出航のセレモニーをやっていた。
地元の中学校の吹奏楽部らしき子たちが演奏をし、いろんな人が旗を振ったり、大きな手の形のうちわを振ったり。どこから来た誰のためのお見送りの人たちなんだろう、と冷静に考えてしまうほど結構熱狂的に送り出してくれた。平和そのもの、世の中の良いところだけを切り取って見ている気分。
なんだかセレモニーが長すぎるなぁと思っていたら、どうやら数人が乗り遅れており、船が待ってあげていたようだった。吹奏楽部の子たちが何度も想定外の演奏をさせられているのがわかり、ちょっとかわいそうだった…こういう時の大人はこれ以上「やらせない」という選択をとってあげないといけないのでは。だってめちゃくちゃ暑いなか外で演奏しているのだから。

寄港初日だったのもありいろいろ手間取っていまいち充実はできなかったなぁ、と思ったが、船の中でまた夕飯を食べたり、遊んだりしているうちに気持ちも回復されていた。そういう点もクルーズ旅行の良いところなのかもしれない。

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