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石垣にて娘ごしの落陽 3

畑 国内旅行

3日目の朝、娘は目が覚めるとすぐにテーブルの方へ行き「おにぎり!おにぎり!」と言って昨日の記憶を頼りに朝食のおにぎりがあると思って探していた。このくらいの時期の子どもはどれくらい記憶を保てるのだろう。朝から何かを食べたがるのは結構珍しい。

しかしこの日はちょっといい朝食を食べるためにすでに店を予約をしていた。白保海岸というサンゴ礁が本当に綺麗な場所にある定食屋さんだ。なのでおにぎりはまた今度。

さっそくお店に行き座敷に案内されると、娘用の小さい椅子、テーブルの近くにはたくさんの絵本、庭が見える大きな窓。子どもが飽きないような工夫がされている席だった。後にやりとりをする機会があり教えてもらったのは、いつもご飯をかきこんで食べているお母さんがゆっくり食べられるように、という配慮だそうだ。

定食は本当に美味しかった。ご飯が黒紫米という見た目も紫の米だったのだが、娘はそれをすごく気に入り一人でお碗をちゃんと持って食べていた。娘は自分が美味しいと思ったものを私や夫にお裾分けしてくれることが多い。このご飯ももれなくそうで、我々も同じものを食べているのだけど、娘からも勧められて食べるというよく分からない食べ方をした。

旬家ばんちゃんの定食

やっぱり美味しいご飯は人を幸せにするなぁ。娘もこの感覚を味わってほしいけど、どうなるかな。
夫は食に消極的な人で、それは義母に聞いても離乳食の頃からなんだという。ほぼなんでも食べられるし、食べる楽しみを知らない、というところまではいかないが、量は食べないし、とにかく生きるための食であり、娯楽ではないようだ。
日々Google mapを見ながら高評価の店を探している私とは別の人種で、もう生まれつきの話なんだと思う。親が好き嫌い対策や食への興味をどうにか持たせようとしても、興味がない子はそのまま興味がない、と思う。なのでどうなっても仕方がないんだな。

食べ終わってから白保海岸まで歩いて行った。シーズン真っ盛りではない海はなかなか良い。人がいなくて静かで、風の音がしっかりと聞こえる。波がほとんどない日で、ただ水が揺れているのを3人で見た。

白保海岸は今の新しい石垣空港が建設される際に一部埋め立てが予定されていて、反対運動などにより最終的に海を埋め立てない形で建設された。私が10数年前に来た時はその空港を建設中だったのを覚えている。その時白保海岸でシュノーケリングをしたのだが、本当にこれまでに泳いだ海で一番美しかったからよく覚えている。

建設中の空港
当時の建設中の空港

建設後、結果的にサンゴ礁には大きな影響はなかったようだが、これから更なる需要の高まりに向けて滑走路の延長の計画などもあるようで、また次に来る頃には何か変わっているかもしれないなと思う。

10年以上前の白保海岸
10数年前に来た時に撮った白保海岸

せっかくだから娘の足だけを海に浸からせようと促したが、嫌がった。1歳の誕生日にも沖縄で海を見たことがあるけど、その時はまだ歩けなかったし砂に降りることもなかったから実質これが初めての海、という感じ。私が先に足をつけて、そこに呼んだら案外そのままじゃぶじゃぶ入ってきた。
最初はリアクションがなかったものの、小さい魚が足元にいることに気付いたり、少し足を動かすと海中で砂埃のように砂が舞ったり、面白いことが次々と発見される。気温はそこそこだが日差しは強いのが気になり、永遠に遊び出しそうになっていたところだったが気を紛らせて海を後にした。

白保海岸

日曜日には近くで地元の人が市場を開いているというのでそこへ行った。娘は今のところ人見知りがほとんどないし、コミュニケーションを取ることが好きなタイプに思う。だから知らない人がいても笑顔を振り撒き、相手から可愛がられることが多い。生まれながらの陽キャ。
案の定ここでも色々なお店のおばちゃんたちに話しかけられ、にこにこ。覚えたての買い物の作法でお金を渡し商品を受け取る。お辞儀をするとおばちゃんたち大喜び。1歳にして他人を幸せな気持ちにできるとってもいい特技だ。私はどちらかというと真逆のタイプだから、いったい誰から得たものなんだろう。

旅行に行くときに意識をしているのは、なるべくローカル体験をするということだ。結局は現地を解ることなどできないと分かっている。なのでそれはあくまで「体験」であるが、できるだけ町を歩き、市場へ行き、生きていくということを学ぶ。自分の旅行は休暇も含まれているが学習に近い部分もある。歴史を知り、現地を観察する。娘がこれからどう考えるかは分からない。でも観光というある種つくられた範囲以外のことも見てほしいと望んでプランを立てている。

あんなにご機嫌だったのに、白保海岸からタクシーでホテルに戻る間に、娘は眠くなって超絶不機嫌になって泣き喚いた後に寝た。ホテルでそのままお昼寝した後、目覚めは良くてベッドの上で転がって大はしゃぎ大笑い。短時間でその感情の振れ幅ほんとにすごいよ。ほとんどの子どもはこんな感じだと思うんだけど、それがなぜ成長していくとこれよりは落ち着いていくのか全くの不思議だ。

起きてからは冷やし麺を食べてプールで遊んで、もう10月なのにまだまだ夏の遊び方。夜ごはんを食べた帰りに、商店街に行って散策。石垣島は観光客だらけ。こんなに旅行需要が復活していたんだ、ということにもびっくりする。去年くらいまでの旅行では、まあまだ連休でも混んではないな、という感じだったから。
中でも気になったのはお揃いのTシャツを着ているグループが多いということだ。他の旅行先ではそんな光景見たことがないけど、石垣島に来るとやりたくなるのだろうか。大体みんなオリオンビールか、石垣島の牛乳「ゲンキ乳業」のTシャツ。確かに楽しそうではあるが、たった1日着るには安くはない金額。グループ内で揃いで買うことに不満な人いそうだよなぁとか勝手に思う。

ゲンキシェイク

本当に文字通り泣いたり笑ったりして時間が過ぎていった。3泊4日はあっという間だ。娘は帰りの飛行機はまた乗った瞬間から爆睡。同じように私の足は娘の頭を支えることによりまた死に、夫は乗り物に乗るとすぐにうとうとした。

そういえば10数年前に石垣島に来たときに買ったTシャツまだ着てるなぁ、とふと思う(もちろんお揃いではない)。今回見た揃いで買われたTシャツも案外ずっと着られるのかもしれない。

旅行の詳細な内容はぜんぜん毛色の違う別のブログに書いています。金額やモデルコースを知りたい方はこちらへ

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